21. オーロラには、どれくらいの大きさの電流が流れているの?

真夜中付近の明るいオーロラでは、全電流が何百万―何千万アンペアに達することもあります。この強力な電流のことを、オーロラジェット電流と呼んでいます。ジェット気流のように、ある特定の湯所に集中して流れているからです。

オーロラジェット電流にかかっている電圧は、数百キロボルトで、この電圧のもとは、太陽風が太陽から引っぱり出してくる磁場との作用で生じます。一般に、オーロラ電流の強さは、オーロラが明るければ明るいほど強いので、ブレークアップのときには、電流量は数分の間に急激に増えます。

この電流によって、世界中の磁場が乱れます。たとえばイエローナイフ上空に流れるオーロラ電流によって、遠く離れた日本でも磁場が変化します。逆にいえば、日本や赤道地域で、オーロラが見えなくても、変化する磁場の情報から、いまどこにどれくらい強いオーロラが出ているか計算することができます。

オーロラの中を流れる電流。上が太陽側、下が真夜中。オーロラがない状態から、中央のピークを経て、だんだん弱くなっていく。