22. オーロラから熱が出るの?

ちょうど電熱器から熱が出るように、オーロラからも熱が出ています。オーロラから出る熱は、上層大気に拡がって逃げていきます。ジュール熱と呼ばれています。

オーロラから出る熱量は、明るいオーロラの場合1, 000,000,000,000ワット以上に達することもあります。この熱量はまわりの大気を暖め、大気は膨張します。つまり、大気の密度が変わります。そんなことを知らないでやってきた人工衛星が、膨張した大気のかたまりに突っ込むと、軌道が変えられてしまいます。その結果、落下してしまった人工衛星は、今までにいくつもあります。一方、オーロラからの熱が大気対流のパターンを変え、地上の気圧配置に影響しないとはいえません。しかし、この方面の研究はほとんど進んでいません。

また、オーロラからの熱がエネルギー源になって、大きな大気振動が発生し、この波が、日本上空を通ってはるか赤道地方にも伝わることがわかっています。赤道では、南半球からも波が伝播してきますから、事態は複雑です。