25. オーロラの種はどこから来るの?

オーロラのふるさとは太陽です。太陽の大気であるコロナは、高温(100万度以上)であるため、太陽の重力を振り切って宇宙空間に飛び出ます。こうしてコロナから吹き出される高温のプラズマ(太陽風)が、地球磁場/大気と作用するのです。

太陽風は、ふだん400km/秒くらいのスピードで、太陽から地球まで3日かけて到着していますが、激しいオーロラ活動のもとになる高速太陽風は、ときとき1000km/秒を超えることもあるくらいです。

太陽風といっても、その密度は地球付近で1cm3あたり、わずか数個程度。現代の技術でつくることができる最高の真空でさえ、1 cm3に100万個の分子を含んでいるのですから、太陽風は真空以下の世界。そんなわすかのエネルギーが、美しいオーロラをつくっていることを考えると、自然の仕組みの不思議さを感ぜずにはいられませんね。

人工衛星「ひので」に積載されたX線望還鏡で見た太陽