17. 太陽や星にも磁気はあるの?

地球が磁気をもっていることは経験的にわかっていましたが、他の天体までが磁気をもっているかどうかについては、昔は人々の関心ごとではありませんでした。しかし、地球の中心に巨大な磁石が埋まっているわけではなく、電磁石になっている、つまり地球の内部に電流が流れているために、磁石になっているように見えているんだということがわかってくると、科学者は太陽も同じことではないかと考えるようになったのです。

20世紀初頭になり、ゼーマン効果*という方法を使って、太陽黒点の磁場が測定されました。その結果、黒点の磁場は、地球の磁場の何と1000倍にもなることが発見されたのです。

2003年10月29日の大フレアに伴う太陽黒点群

その後、黒点の場所だけではなく、太陽全体として磁場をもっていること、その磁場が22年の周期で、南北が逆転していることも見つかりました。黒点数が11年周期で増減を繰返していることはよく知られていますが、それはちょうど22年の半分で、両者に密接な関係がありそうです。

太陽は、夜空に輝く他の星と同じようなものですから、他の星にも磁力があるはずです。光が弱いため、観測が困難ですが、恒星の磁場もどんどん見つかっています。星の集まりである銀河自体も磁力をもっています(49参照)。も

*ゼーマン効果:磁場の中にある光源のスペクトルが何本かに分かれて観測される現象。