地球磁場の変動

25. 地磁気は今弱くなっているって本当?

本当です。近代的な観測が行われるようになった過去100年あまりの間に、地磁気の強さはすでに約10%減少していることがわかっています。このまま減少し続けると、1000年あまり後には地磁気がほとんどなくなってしまうことになります。

しかし、こういう予測は(たまたま本当かも知れませんが)恐らく意味がありません。というのは、近代的な測定がなされる以前の地磁気の強さを調べてみると、およそ2000年前には現在よりも50%くらいも地磁気が強かったこと、今から6000年くらい前には逆に今の半分くらいの強度であったことがわかります。すなわち、現在見られる地磁気の減少は、少なくとも過去1万年くらいの間に繰り返されてきた地磁気の増減の、ほんの一部を見ているものと考えられるのです。

1900年から2005年までの地球磁場の強さの変化。地球磁場の強さは、地球磁場を1本の棒磁石(双極子という)で表わした場合のモーメントのこと。