5. マグネットという言葉はどこから来たの?

ギリシャ世界で知られていた磁石はいわゆる天然の磁石で、人工的に永久磁石を作ることは知られていませんでした。当時天然磁石は、「マグネスの石」あるいは「ヘラクレイアの石」と呼ばれていたことが、例えばプラトンによる「イオンとソクラテスの対話」に見ることができます。

マグネットという言葉は、このマグネスに由来するとされていますが、マグネスとは何かについては諸説あるようです。小アジアあるいはマケドニアにあったマグネシアという場所で天然磁石を産出したことによるという説と、前項に紹介した羊飼いのマグネスに由来するという説が有名です。

ちなみに、「ヘラクレイアの石」という名前も、地名によるという説と、怪力ヘラクレスにちなんだものという説があります。

ついでに、英語のmagneticには、「魅力的な」という意味があります。引きつける(魅きつける)力があるからでしょうか。