10. 放射線帯はいつ発見されたの?

放射線帯は 1950 年代末、アメリカ初の人工衛星であるエクスプローラーによって発見されました。1957 - 1958 年には、国際地球観測年(International Geophysical Year、略してIGY)という、「世界各国が協力して、惑星地球号の研究を進めよう」と設定されたプロジェクトが行われました。エクスプローラーは、IGY におけるアメリカの宇宙観測という、重要な役目を持っていたのです。日本初の南極観測も、この IGY にあわせて実施されました。

さて、このエクスプローラーには、宇宙から飛来する宇宙線の観測を目的として、アメリカ・アイオワ大学のバンアレン教授のグループが開発した、高エネルギー粒子を計測する装置が搭載されました。

放射線帯は、バンアレン教授によって発見されたことから、バンアレン帯とも呼ばれています。この発見の後、1960 年代の初頭にかけて、アメリカと当時のソビエト連邦は精力的に探査を行い、放射線帯の空間構造の全貌がわかってきました。

バンアレン教授