33. 新しい放射線帯ってなに?

これまで見てきたように、放射線帯は、電子については外帯と 内帯の2重構造、イオンについては1重の構造を持っています。

それに加えて、1990 年代に入ると、新たな放射線帯が赤道面付近に見つかりました。この放射線帯は、主に 50 MeV 以下の、酸素、窒素、ヘリウム、炭素といった重イオンからできています。 詳細を知るための研究が現在も続いていますが、宇宙空間に存在している宇宙線が、地球の磁場に捕らえられたものがその起源ではないかと考えられています。

これまでの観測によると、イオンのベルトの場所は、粒子の種 類によって少しずつ異なります。ヘリウムの場合、分布の中心は 地球半径の 2.5 倍のところ、鉄の場合は地球半径の 2 倍のところにあるようです。

重イオン粒子が増えるのは、磁気嵐の大きさ、そして太陽放射 線の強度に依存していると考えられます。1 太陽活動周期 11 年のうち、数回しか起きない巨大な磁気嵐のときに、特に大きく増 えているようです。