39. 放射線帯の粒子がオゾン層に影響を与える?

地球の上空にはオゾン層があり、太陽の紫外線から地上の生命を守っています。フロンガスはオゾン層を破壊するため、使用を規制されていることはご存じですね。実は、エネルギーの高い粒子も、オゾン層に影響を及ぼすことが知られているのです。

たとえば、太陽放射線が地球の大気に降り注いでいるときには、成層圏上部(高度 50 km 付近)にあるオゾンが減ることがわかっています。また、放射線帯の電子によっても、中間圏(高度 70 - 90 km 付近)のオゾンが減る可能性のあることが、理論やモデル計算から指摘されています。

放射線帯の電子がオゾン層に及ぼすこのような影響については、 観測例が少ないため、まだ十分に理解されていません。放射線帯 電子が特に大きく増える期間を中心に、オゾンの変動と放射線帯 電子の変動の関係を調べる研究が続いています。