28.オゾンホールはこれからどうなるの?

南極オゾンホールの大きさは1980年代に発見された時から1990年代半ばまで次第に大きくなり、その後は年ごとの変化はあるものの概ね南極大陸の1.5〜2倍ぐらいの大きさを維持しています。そのため南米大陸の南端部はオゾンホールの中に入ってしまうことがしばしばあり、その地域の住人にとっては日々の生活にも関わる現象となっています。また、オゾンホールが地球規模の大気の循環にも影響を与え、南半球の気候にも影響を与えているという計算結果もでています。

世界的な取り組みで、原因となるフロンの使用を1996年までに先進国で全廃しました(途上国は2010年まで)。2016年には米国の研究者によりオゾンホールは今世紀に入って回復傾向にあるという報告が出されましたが、回復の速度は非常にゆっくりで、依然としてオゾンホールは大きな勢力を維持しています。モデル計算では今世紀いっぱいはオゾンホールは無くならないとも予想されています。

(図は気象庁のWebページから
http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ozonehp/diag_o3hole_trend.html)