38. ペンギンが南極に多いのはなぜ?

ペンギンは、水中を自由に飛ぶように泳いで、海中にいるオキアミ類を食べます。南極の海氷の下では、海水が凍るときにでる塩分が濃く、微小な海中生物が多く育ち、オキアミも多くなります。その結果、ペンギンも多くなるというわけです。

昭和基地周辺に多いのはアデリーペンギン。大人のアデリーペンギンは、体長が70cm、体重が6kg程度で、夏になると繁殖のために集団で露岩地帯に集まり、夫婦で小石を拾ってきて巣を作ります。この営巣地帯をルッカリーと呼びますが、それはまるでペンギンの団地のよう。

時々、ペンギン夫婦達は小石の取りあいでけんかをします。ペンギン夫婦の卵は2個。雌は産卵後、巣を離れて餌を食べに海に行き、その間、卵を温めるのは雄の役目。雌が巣に帰ってくると、交代して雄が海に行きます。卵がふ化してひなになると、親ペンギンは口移しでひなに餌を与えます。2-3か月たつと、灰色の産毛から白と黒の成鳥の毛に生え変わります。南極は恐ろしい動物はいないので、ペンギン達には安全なように思えますが、安心はできません。オオトウゾクカモメがペンギンの卵やひなを襲うのです。ひなが巣立ちをするまでに、2-4割が死んでしまうと言われています。