40. 極地では花は咲くの?

北極域には、森林を含む約900種もの植物が茂っています。タイガ(針葉樹林帯)の北の限界は、ところにより北緯70度を超えています。タイガより北方のツンドラ地帯では、夏には、高さ2m程度のブッシュ状の樹木が見られ、樹木の間には小さい花々が咲きます。スヴァールバル諸島の西岸では、夏になると、日本の高山に見られるような白やピンクや黄色の小さい花々が、柔らかくなった水分のある凍土に咲いています。

一方、南極域では亜南極地帯で草が生えていますが、木は全くありません。気象条件が厳しい南極大陸では、露岩地帯でのみ、地衣類、コケ類、藻類が夏の間は生えています。露岩地帯では、雪渓の融けた水や池から流れ出た水が砂地や岩肌をうるおし、また、ペンギンやユキドリの排泄物には窒素やリンが含まれるので、これらが肥料となるのです。