48. 南極の越冬では何を食べるの?

南極での食生活は、日本隊も外国隊も一般に豊かです。その理由は、冷凍食品が発達し、それに冷蔵庫や冷凍庫を備えることができるようになったから。南極で冷蔵庫や冷凍庫が必要だなんて、不思議ですね。南極の基地のほとんどは沿岸地域にあって、夏には気温が0度近くになります。冷凍食品は-20度で新鮮さが保たれますので、冷凍庫が必要になるわけです。

日本隊では、日本食、洋食、中華料理など約400種の食材を準備します。しかし、「しらせ」がオーストラリアに寄港して調達する生鮮野菜や果物は、越冬半ばまでしかもちません。越冬の後半には、すべてが冷凍食品か乾物類。果物は缶詰めになります。もやし、貝割れ大根などの水耕栽培は「昭和基地農協」からときどき出荷されます。専門のシェフが豊富な食材を料理するので、食事は越冬生活の最大の楽しみ。アルコール度が低い缶ビールは、冬に廊下や外に置いておくと、凍ってしまい、飲むのに苦労します。気温が-50度以下になる内陸旅行では、アルコール度の強い洋酒が飲まれます。