8. なぜ雨が降っても海はあふれないの?

日本全体で平均すると1年間に約1700mmの降水量があります。地球全体では陸と海を合わせて平均すると1年間に約800mmの降水量があります。陸地に降った雨は河川となって海に流れ注ぎます。ブラジルのアマゾン川、アメリカのミシシッピー川、ロシアのオビ川、エジプトのナイル川、中国の長江、日本の利根川など、世界中の全ての河川の流量を足し合わせると、1秒間あたり約100万立方メートルの河川水が海洋に流れ込んでいます。これは毎秒、ナゴヤドーム一杯分の水が海に流れ込んでいるという勘定になります。これでは海があふれてしまう気がしますが、太陽光による海面の加熱によって降水量と同じくらいの蒸発量があります。これが大気中の水蒸気や雲となって私たちが生活するのに必要な恵みの雨や雪となるのです。これを地球上の水循環と呼びます。世界中の陸上の熱帯雨林や砂漠の分布を思い出してみるとわかるとおり、熱帯(赤道周辺の緯度帯)では降水が蒸発より多く、亜熱帯(緯度が20度から30度くらいの範囲)では蒸発が降水より多い傾向にあります。