25. 巨大惑星の丸焼き?

初期に発見された太陽系外惑星の多くは、「ホットジュピター(灼熱の木星)」と呼ばれています。これは、どんな惑星でしょうか?

1995年に視線速度法で発見された太陽系外惑星は、極めて衝撃的なものでした。それまで、太陽の様な星に付随する惑星系は、きっと太陽系に似ているだろうと多くの人が考えていました。おそらく、最初に発見される太陽系外惑星は、木星の様に主星から離れた軌道を、10年くらいの周期でまわる巨大惑星だろうと思っていました。そして、そうした惑星に的を絞った探索を行っていたのです。

ところが、実際に発見された惑星は、太陽系で言えば水星の内側の軌道を4日ほどの周期でまわる、木星くらいの巨大惑星でした。つまり、この惑星は水星以上に高温の灼熱地獄で、しかも木星の様な巨大惑星です。こうした主星のすぐそばをまわる巨大惑星は、ホットジュピターと名付けられましたが、その後もこうした惑星は、続々と発見されました。こうした、ホットジュピターの中には、主星のコロナ(星の外側の大気)の中をまわっている様なものもあります。ホットジュピターの多くは、表面温度が1,000度以上と考えられています。

こうしたホットジュピターは、木星と同じような水素ガスを主成分とするガス惑星と考えられ、高温のため蒸発しつつあると考えられています。実際に、彗星の様に水素ガスの尾をたなびかせているホットジュピターも発見されています。