39. 太陽風は熱いの、冷たいの?

太陽風は、電気を帯びた粒子でできたガスですが、とても高温です。その温度は、太陽から離れるに従って下がりますが、地球軌道あたりを流れる太陽風の温度は、約 10 万度もあります。

そんな高温のところに宇宙飛行士が行ったら、大変なことになりそうですね。でも、大丈夫。宇宙飛行士には、太陽風の熱さは全く感じられないでしょう。それは、太陽風がとても薄いガスだからです。どれだけ薄いかといえば、1 立方センチメートル(角砂糖ぐらいの大きさ)当たり、10 個ぐらいしか粒子がないのです。この密度は、地上で作ることができるどんな真空状態よりも希薄で、太陽風は超真空の世界といえます。太陽風粒子の1 個 1 個は、10 万度という温度が示すように、地球の大気の分子に比べて大きなエネルギー(運動速度)を持っているのですが、あまりにも粒子の数が少ないために、全体でみると熱エネルギーは非常に小さいことになります。