43. 太陽風が地球磁場に当たるとどうなるの?

太陽風は、常に地球へ向かって吹きつけていますが、太陽風のガスは地球の磁場によってせき止められて、地上にまで届くことはありません。地球磁場が太陽風をせき止めている場所は、太陽風が吹きつける強さによって変わります。地球の昼間側では、地球の中心から約6 万 km(地球半径の約 10 倍)離れたところにあります。一方、夜側では、地球磁場は太陽風に引きずられて、ずっと遠方までのびています。このように、太陽風が地球磁場に当たることで、吹き流しのような形をした空間(磁気圏)が作られます。

ここで、超音速で飛ぶジェット機を考えてみましょう。ジェット機の前面には、衝撃波面ができます。太陽風が地球の磁気圏に吹きつける側にも、同じように衝撃波面ができます。太陽風の流れは、太陽風の中を伝わる音波の速度よりもずっと速いので、太陽風が吹きつける地球の磁気圏の上流側には、超音速ジェット機と同様に衝撃波が発生するのです。

太陽風が地球の磁気圏に当たると、太陽風のもつ莫大なエネルギーの一部が、いろいろな形で磁気圏の中に入ってきます。その結果引き起こされる現象の 1 つがオーロラです。