49. 太陽風の到来を予報できるの?

太陽が穏やかなとき、地球からは、1 か月単位で同じような太陽風が観測されます。太陽は約 27 日で自転しているため、太陽コロナから吹き出した太陽風も、ほぼ同じ周期で観測されるのです。このタイプの太陽風は、観測を続けることである程度予報することができます。また、人工衛星などで観測された太陽コロナの姿をみれば、どんな太陽風が吹き出しているのか予想することもできます。

それでは、太陽の活動が活発なときはどうでしょうか? たくさんの CME がおこり、惑星間空間には突風が吹き荒れます。CME がいつおこるのか、残念ながら、現時点では正確に予報するのは難しいようです。それなら、CME がおこった後で、どの方向にどれくらいの広がりで飛んでいったかが分れば、地球にぶつかるかどうかを予報することはできますね。このとき役に立つのが、人工衛星のコロナグラフ観測と、地上からの電波シンチレーション観測です。この2つの観測をくみあわせることで、CME の飛んでいく様子を予想することができるのです。

現在、日本とアメリカの大学が共同で、電波シンチレーションを使った太陽風の予報を試験的に開始しています。また、世界中で、電波シンチレーションの観測を始めようという動きも出てきています。そう遠くない将来、TV などで、「明日の宇宙の天気は・・・」なんていう天気予報が見られるかもしれません。