39. 宇宙天気予報はどれくらい当たるの?

地上のお天気予報はよく当たりますね?降水確率予報の場合ではおおよそ80%くらいの割合で当たっているそうです。それでは、宇宙天気予報はどうなのでしょうか?実際に、名古屋大学が行っている放射線帯の確率予報の場合は、降水確率の予報と同じくらいの成績で当たっています。

天気予報でも、明日ある場所でどのくらいの雨が降るかを正確に予想することはとても難しい問題です。同じように、明日ある場所でどのくらいの規模のオーロラ嵐(サブストーム)がおきるかを予想することは、まだできていません。ひとつの問題は、地球にやってくる太陽風の予報が難しいということがあります。太陽風中のわずかな磁場の変化によって、オーロラ嵐がおきたりおこらなかったりするのですが、高精度に磁場の変化を予想することがまだできていないのです。また、宇宙嵐を予報するためには、太陽面での爆発(フレア、CME)の予報が重要になります。いつフレアが発生し、またいつCMEが地球に向かって飛び出してくるかを予報することもできていません。この問題に挑むため、世界中の科学者がフレアやサブストームのメカニズムを研究しています。

一方で、「来月中旬にアラスカに旅行する場合に、オーロラが見えやすいかどうか」ということは、かなり正確に予報することが可能です。それは、第35問、第37問で紹介したように地磁気の活動が約27日周期をもっているためで、前周期の変化の様子をよく観察していれば、次の周期の変動を予想できるからです。