12.大気重力波はどんな役割をしているの?

大気重力波は、低いところから発生して上に伝わり、高度 90 km くらいの中間圏の上端で壊れて、熱や力をまわりの大気に放出します。この時に出す力は意外と大きく、中間圏の大規模な風系を変えてしまうほどの影響力を持っている、と考えられています。下から伝わってきた波が、中間圏で水平方向に吹いている風に対してざらざらした抵抗のような力となって、風を止めてしまうのです。

この大気重力波の果たす役割は、現在でもこの分野の研究者の大きな課題で、大型の気象レーダーや気球などによる観測やコンピュータを用いた数値実験が行われています。