15.大気のてっぺんにもオゾンがあるの?

オゾン層と言えば、成層圏の高さ 20-40 km にあることが知られていますが、それより高い中間圏や熱圏にもわずかにオゾンがあります。高度 50 km より上の中間圏のオゾンは、気球が到達できる高さを越えていて、測定することが非常に難しいのです。

この高さのオゾンは、ミリ波と呼ばれる長い波長の光を放射し ているので、この光を測定することにより、中間圏のオゾンを測 ることができるようになってきました。名古屋大学宇宙地球環境 研究所でも、ミリ波を使って超高層大気のオゾンを地上から測定 する装置を開発しています。この中間圏・熱圏のオゾンは、超高 層大気で起こる大気成分の化学反応の多くの過程にかかわったり、大気光を光らせる(18 を参照)際の仲立ちになったりするので、中間圏を調べる上で重要な役割を持っています。

チリ共和国の観測点にあるミリ波観測装置。