37.電離圏にも嵐があるの?

太陽にフレアなどの大きな爆発が起こり、そこから発生した強い太陽風と磁場が地球に到達すると、磁気嵐と呼ばれる地球規模の擾乱じょうらん現象が地球のまわりの宇宙空間で発生し、オーロラが明るく輝いたり、地磁気が大きく乱れたりします。この時、電離圏でも嵐が発生します。

宇宙空間から極域に注入されたオーロラなどのエネルギーによって、熱圏大気の風や温度、さらに大気の成分までが変化してしまいます。これに伴って、電離圏のプラズマも大きく変動することがわかってきました。電離圏嵐と呼んでいます。

電離圏の嵐では、電離圏の電子密度が大きく減少する時(負の電離圏嵐)と増大する時(正の電離圏嵐)があります。31 で説明した電離圏を伝わる津波も、電離圏嵐の一つの姿なのです。