5章: 観測手法

38.大気のてっぺんはどうやって調べる?

大気のてっぺんである中間圏や熱圏を調べるためには、さまざまな観測手法があります。そのほとんどが、光か電波を使っています。それらの手法は、自然界に存在する光や電波を使うものと、観測者が自分から光や電波を出して、それが大気のてっぺん付近からはね返ってきた強さを測定するという 2 種類に分けることができます。どちらの場合も、非常に弱い光や電波を受信しなければなりません。そのため、大きな面積の受信部や高感度の光学機器など、特殊な機械を使って測定することになります。

これらの観測には、地上から行うものと人工衛星から行うものがあります。人工衛星は数時間で地球を一周するので、広い範囲の情報を得ることができます。しかし同じ場所にとどまっていることができないので、ある場所の時間変化を調べることができません。一方、地上観測は、ある場所での時間変化をずっと追うことができ、さらに人工衛星より詳細な観測が可能ですが、一カ所だけの観測から空間的な広がりを調べることはできません。地上観測と人工衛星観測は、お互いの弱点を補い合いながら、実施されているのです。