43.流れ星を使って大気のてっぺんを調べることができるのはなぜ?

前述したレーダーの中には、流星レーダーと呼ばれる種類があります。高さ 70-100 km の風速や温度分布を測ることができるのです。では、なぜ流星を使って、大気の風や温度を測ることができるのでしょうか?

24で述べたように、流れ星はそのほとんどが、高さ 70-100 km 付近の中間圏上部で、大気との摩擦によって消滅します。この時に生じるプラズマ(つまり、流星の飛跡)は、レーダーの電波をよく反射します。流星の飛跡から返ってくるこの電波を受信することによって、その高さの大気の風や温度を測ることができるというわけ。目で見える流星は少ないですが、レーダーを使えば、目では見えないようなごく小さな流星までとらえることができるので、その数は 1 分間に数十個に達します。