2章: 風と温度

7.大気のてっぺんにはどんな風が吹いているの?

超高層大気にも風が吹いています。風速は高くなるほど速くて、中間圏では数十m/秒、熱圏では100m/秒以上。日本のような中緯度の中間圏では、成層圏と同じようにジェット気流が、夏は西向き、冬は東向きに吹いていて、その速さは 80 m/秒に達します。台風の暴風圏が風速25m/秒ですから、とんでもなく強い風だということがわかりますね。熱圏では、100m/秒の風が1日の間に向きを変えながら吹いています。また、高緯度地方では、オーロラなどの加熱により大気が膨張して、そこから 100 m/秒以上の風が吹き出すことがあります。

これらの風の変動は、大気潮汐ちょうせき、惑星波、大気重力波などといくつかの種類に分類されています。風速は速いですが、大気の密度がとても薄いので、実際に超高層大気に行ったとしても、こういった風を肌で感じることはほとんどないでしょう。