13.火星人はいるの?

空気が薄く、気温の寒暖の変化が-130度~25度もある過酷な世界ながら、地球に最も近い環境をもつ火星は、地球外生命体が存在する可能性のある星として注目されてきました。頭が大きくて手足が長いタコに似た火星人がいると信じられ、火星人が運河を建設しているに違いないと想像されていた時代もありました。

その後1976年にバイキング1、2号が火星に着陸し、火星に微生物がいるかどうかの実験を行いました。火星表面の写真をたくさん撮ったほか、土を採取して各種の実験を行いました。しかし、残念ながら生命の痕跡は見つけられませんでした。

1996年に火星起源と考えられるいん石から、40億年前のバクテリアの化石かもしれない物体が発見され(22参照)、火星の生命の発見に再び興味が高まっています。イギリスのウェルズ(H. G. Wells)のSF小説「宇宙戦争」(1898)に出て来たような、高等知能をもった火星人の存在は否定されていますが、バクテリアのような原始的な生命なら存在するかもしれません。

アメリカのアマチュア天文家ローウェル(P. Lowell)が描いた火星地図。筋状の模様は、人工的に作られた運河と考えられましたが、そうではないことがのちにわかりました。