20.小惑星ってどれくらい小さいの?

太陽系には惑星や準惑星や衛星のほかに、小惑星やTNOs(太陽系外縁天体:Trans-Neptunian Objects)などの小天体も存在しています。小惑星はその名のとおりサイズが小さく、100キロメートルを超える大きさのものは数えるほどしかありません。小惑星の大部分は火星と木星の軌道の間に集まっており、その数は数十万個ととても多いのですが、全部足し合わせても4×1018トン、つまり、月の20分の1程度の重さです。

このように小惑星は確かに小さいのですが、最も大きな小惑星であるセレス(直径910キロメートル)が1801年に発見されたときには、待望の新惑星が発見されたのかと大騒きになりました。海王星(1846年発見)や冥王星(1930年発見)の発見より前のことです。しかし、セレスが発見された翌年にはパラスという天体が見つかり、その後続々と数多くの天体が、惑星とみなされなくなり、小惑星の集団にくくられてしまいました。

1990年代に入ると冥王星の近くにも次々とTNOsが発見され、2006年には、セレスと同じ運命が冥王星にも襲いかかることになりました。冥王星は惑星ではなく、準惑星の仲間になりましたが、その一方で、冥王星を多数のTNOsを率いるリーダーとみなす動きもあります。TNOsは今後もどんどん発見されるでしょうし、太陽系の全体像の理解に大きく貢献することが期待されています。そして、冥王星はTNOsのリーダーとしても、今後も注目を集め続けることでしょう。