惑星と神話の世界

23.金星は女神?火星は戦いの神?

天文学は歴史が古いために、天体の名前にはローマ神話やギリジャ神話に由来するものがたくさん用いられています。例えば水星(Mercury)は、ローマ神話の商業と盗賊の神メルクリウスにちなんだ名前です。水星が天空を素早く移動することから、名付けられたと考えられます。金星(Venus)は愛と美の女神ビーナスに由来しています。金星がこのように名付けられたのは、おそらく天空で最も明るく輝く惑星だったからでしょう。ビーナスは、火星(Mars)の由来である戦いの神マルスの恋人でもあります。

惑星の中でも地球(Earth)だけは、ローマ神話やギリジャ神話をもとにしていません。ギリジャ語では地球のことをガイア(Gaia)と呼びますが、ガイアはギリジャ神話に登場する大地の女神、神々の母です。

惑星名とローマ神話の神様の名前の対応
日本名英語名ローマ神話の神様の名前
水星Mercuryメルクリウス(商業、盗賊の神)
金星Venusビーナス(愛と美の女神)
火星Marsマルス(戦いの神)
木星Jupiterユピテル(全知全能の神)
土星Saturnサトゥルヌス(農業の神)
天王星Uranusウラヌス(ギリシャ神話の天空の神)
海王星Neptuneネプチューン(海の神)