39.火星では伝書鳩は方向音痴になる?

生物はふだんから磁場を感じています。例えば、伝書鳩や渡り鳥などは地球がもつ磁場をたよりに移動をしていると考えられています。その証拠に、オーロラ中を流れる電流などによって地球磁場が乱れたときには、伝書鳩は方向を見失い迷子になってしまいます。

火星や金星は、地球と違って、惑星全体としては強い磁場をもっていません。ですから、地球からやってきた伝書鳩は火星では方向オンチになって、目的地に迷わずに到着することは難しくなるでしょう。

火星探査衛星マーズグローバルサーベイヤーの最近の観測によると、火星の南半球の一部では、局所的に異常に強い磁気を示す現象(magnetic anomaly)がみられることがわかってきました。伝書鳩も、火星の南半球なら迷わずに飛べるかもしれませんね。ただし、火星南半球の磁場は複雑な分布をしているので、ひょっとしたら局所的な磁場が無いときよりも、もっと迷ってしまうかもしれませんが・・・