40.水星はあばただらけ?

水星の表面は、誰かのほっぺのようにクレーター(いん石衝突孔)でデコボコとしていて、その姿は月ととてもよく似ています。では、なぜ水星にはたくさんのクレーターが残っているのでしょうか。

水星表面のクレーターは、無数の天体が衝突してできたものです。大小さまざまな無数のクレーターが40億年もの長い年月のあいだ、風化によってその形を失うことなく残り続けているのは、一見不思議な印象を受けます。それは実は、水星の大気が薄かったため、大気による風化がほとんど働かなかったおかげなのです。水星には、ずっと昔から大気がほとんどなかったと考えられています。水星は太陽に近いために、大気が高温・高エネルギーとなり、惑星の重力から逃げだしてしまったのです。

金星と地球にはクレーターはほとんどありません。小さないん石は濃い大気中で燃え尽きてしまい、地表に到達しないからです。たとえ到達したとしても、大気や水の浸食によってどんどんと風化されていってしまいます。また地球の地表は、プレートテクトニクスによって壊され作り直されたりもします。木星型の惑星は表面がガスでできているので、クレーターはもちろん存在しません。

水星の近接写真