43.火星の夕焼けは何色?

それでは、薄いながらも大気をもつ火星の空は、いったい何色に見えるのでしょうか。火星の空は、実はオレンジ色をしているのです。火星の大気中には、ダストと呼ばれる砂塵が舞い上がっています。このダストの粒子の大きさは、赤色の波長に近く、太陽の光の赤の色を強く散乱します。ですから火星の空の色は赤っぽく、オレンジ色の空がひろがっているのです。

では、火星の夕焼けの色は何色なのでしょうか。火星に降り立ったマーズパスファインダー探査機が、火星の表面から撮影した夕焼けの色は、なんと「青色」でした。大気の層をななめに長く通過する間に、波長の長い赤色の光は散乱を強く受けてしまい、波長の短い青色の光だけが地表に届いたためであると考えられます。ただしこの色は、大気の状態によって多少は変化することが予想されています。

マーズパスファインダーの火星着陸イメージ図