太陽系の果てはどうなってるの?

44.蛇のとぐろの上の世界は?

昔のインドでは、私たちが住む地上は広く平らで、大きな亀の背中に乗っていて、その大きな亀は大きな象に乗り、大きな象はさらに大きな蛇のとぐろの上に乗っていると考えられていました。

現在では、このような宇宙論を唱える人はいませんが、現実の宇宙はどことなく「蛇のとぐろの上の宇宙論」と似通っているところがあります。私たちは、地球上の世界に住んでいますが、その外には太陽が支配する世界―太陽系―があります。その外には銀河系というさらに大きな世界があり、銀河系は宇宙を構成する銀河のうちの一つにしか過ぎないのです。

このように、宇宙はいくつもの階層からなる構造をもっています。宇宙を研究する者にとって、宇宙の世界が難しくて面白いのは、まさにその多段の階層構造のために、小さなものから大きなものまでが複雑に絡み合っているからなのです。この階層間の絡み合いの重要性は、巨大なロケットを建造するために、微小なネジまわりの緻密な設計が大切になることと似ています。