45.フェリオポーズって何?

では、太陽系の果てはいったいどの様になっているのでしょうか。太陽から絶え間なく吹き出している太陽風は、あらゆる方向に超音速で流れています。この太陽風の流れの影響がおよぶ範囲はヘリオスフェア(Heliosphere, 太陽圏)と呼ばれていますが、一方でヘリオスフェアの外側は銀河系の恒星間ガスで満たされています。太陽風の流れは、恒星間ガスと衝突することによりせき止められ、このせき止められる境目で、ヘリオポーズ(Heliopause, 太陽圏界面)と呼ばれる太陽圏の果てが形成されています。

ヘリオポーズの位置は、太陽からおよそ110~160天文単位(1天文単位は太陽と地球の間の距離)にあると考えられています。2005年5月、ボイジャー1号が太陽圏の果て近くにある、ターミネーションショック(Termination shock, 末端衝撃破面)と呼ばれる領域を通過したと報じられました。またボイジャー1号は2012年8月にヘリオポーズを初めて通過したと報じられています。また、ボイジャー1号に引き続いてボイジャー2号も2018年11月にヘリオポーズを通過したとNASAから発表されました。2つの探査機は太陽系を離れ、恒星間ガスが満ちた星間空間に飛び出したのです。

ヘリオスフェアの想像図。中央の小さな点は太陽を表します。