超新星残骸「かに星雲」



代表的な超新星残骸であるかに星雲の可視光とX線によるイメージを重ねたもの です(http://chandra.harvard.edu/photo/2002/0052/more.html by Hester et al.)。X線(Chandra 衛星)で見たイメージが青、可視光(Hubble 望遠鏡)で見たイメージが赤で書かれています。X線は目に見えないので、この イメージは、あくまで「人間の目がX線に感度を持てばどう見えるのか」を 示したにすぎません。

かに星雲は、もともと1054年に起った超新星の残骸です。この超新星の 記録は藤原定家の明月記にも書かれていますが、定家が生まれたのは 超新星爆発の後で、実際に見たわけではありません。1054年に起った 超新星と、かに星雲の対応づけを中国や日本の文献をもとに議論して いる Duyvendak の論文(Duyvendak, J. J. L., Publication of the Astronomical Society of the Pacific, vol. 54, p91-94, 1942)は 天文学者でなくてもおもしろく読めるかもしれません。