タンデトロン加速器質量分析による宇宙地球環境研究の新たなステージ

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[2016-11-01]

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 名古屋大学のタンデトロン加速器質量分析装置(2号機)は,これまで,考古学分野等の炭素14年代測定や地球環境研究等に積極的に活用され,数多くの成果が得られてきました。これからは,新たなステージとして,宇宙地球環境研究の推進にも利用することを考えています。
 2号機には高精度で炭素14を測定するため,当時の最新の加速器技術・質量分析技術が採用されています。特に,1兆個の炭素に含まれる数個の炭素14を区別するマグネット(加速された炭素イオンを質量分析する電磁石)は超高性能なもので,本装置の心臓ともいえる部分です。10月はじめに,このマグネット電源と高真空排気装置を最新のものに更新しました。19年間に亘って酷使してきた加速器質量分析装置ですが,今回の更新で最新の加速器質量分析装置と同様の性能での分析が可能となりました。今後は,新システムの導入などによって炭素14以外の宇宙線生成核種(10Beや26Alなど)を含めた多面的な研究を展開することを目指します。

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