menu

総合解析研究部

総合解析研究部のホームページ

総合解析研究部では太陽地球環境を一つのシステムとして包括的に理解するため、観測データの解析とコンピュータシミュレーションを連携させた総合解析研究を行っています。
太陽、太陽コロナ、惑星間空間、地球磁気圏、電離圏、大気圏からなる太陽地球環境システムでは、黒点の周期的活動、太陽フレア、コロナ質量放出、磁気嵐、オーロラ爆発など様々な複雑現象が発生しています。それらの現象は互いに関係しているため、その理解の為には個々の現象の素過程とシステム全体の連関を共に明らかにする必要があります。総合解析研究部は様々な人工衛星と地上からの観測データの先進的な解析とコンピュータシミュレーションを駆使して、太陽地球環境システムの全体像を解明するための研究を、国内外の研究者との共同研究を通して推進しています。

総合解析研究部のメンバー総合解析研究部のメンバー
太陽の衛星・地上観測と数値モデリングの連携により研究を推進しています。
衛星観測、地上観測、数値実験を駆使したジオスペース研究の概念図。2016年の衛星打ち上げに向け、ERG計画が進行中であり、関連研究をする好機といえます。

地球上にいる私たちは、大気と磁場という二重のバリヤーに遮蔽されているため、宇宙空間で起きている複雑な現象にふだんは気がつきません。地球やそのまわりの空間(大気圏、電離圏、磁気圏)は、太陽からのエネルギーにより、刻々と変動しています。太陽風のエネルギーの一部は、荷電粒子や電磁場のエネルギーとして磁気圏内を通り、電離層に到達してオーロラや強い電流を発生させ、さらに低高度の大気圏にも影響を及ぼします。また、太陽は地球上のすべての生命に、はるかかなたから直接影響を与えているかもしれません。太陽と地球の関係を正しく知るためには、大気圏、電離圏、磁気圏、太陽圏を、太陽・地球システムという大きなシステム全体の中で、お互いに強い影響を及ぼし合うそれぞれの要素としてとらえなければなりません。太陽・地球システムを知るためには、地球とは異なる大気、固有磁場などの条件を持った他の惑星との比較も有用な研究手法です。

総合解析研究部での研究の目的は、この太陽・地球システム全体での複雑なエネルギーの流れと変換のメカニズムを、総合的に理解することです。太陽から地球に至る広い空間で起きていることを正しく知るためには、膨大なデータが必要です。このため、日本を含む世界各国で、人工衛星による探査や地上観測が行われています。これらの観測によって得られた太陽表面付近、太陽風、磁気圏、電離圏、大気圏のデータを集めて、お互いの領域がどのような影響を与えているかを解析します。観測データの性質をあらゆる角度から調べるために、画像解析を含むデータ処理や、モデル計算も行います。また、計算機シミュレーションによって太陽・地球システムの応答を調べ、エネルギーの流れの再現や予測を行うことも目指しています。

総合解析研究部の関連プロジェクト

総合解析研究部では、国内外の大学・研究機関と協力しつつ、様々なプロジェクトを実施しています。

Geospace Environment Modeling System for Integrated Studies (GEMSIS)

第2期GEMSIS計画(2010-2015年度)では、第1期GEMSIS計画(2007-2009年度)での基礎研究を基盤とし、太陽、磁気圏、電離圏の3つのコアチームを中心に、ジオスペースにおける各領域での実証型モデルを構築し、宇宙嵐時に強く発動する多圏間相互作用と高エネルギー粒子生成・消滅をになう物理機構の解明を目指しています。

ひので科学センター@名古屋

国立天文台・JAXA宇宙科学研究所と連携して、科学衛星ひのでの全データの維持・管理及び解析環境の提供を行っています。また、フレアカタログや3次元コロナ磁場データベースなど、独自に作成・開発したコンテンツの公開も行っています。

ERGサイエンスセンター(JAXA宇宙研との共同運用による宇宙科学連携拠点)

ジオスペース探査プロジェクトERGのサイエンスセンターをJAXA/宇宙科学研究所との共同運営による宇宙科学連携拠点として運営しており、同プロジェクトのデータアーカイブ・公開、ツール開発を担っています。

野辺山電波ヘリオグラフ科学運用国際コンソーシアム

2015年度より名古屋大学が中心となって国際コンソーシアムを形成し、野辺山電波ヘリオグラフの運用を行っています。また、国立天文台と連携し、過去のデータを含めた全データの維持・管理及びデータ解析環境の提供を行っています。

詳細は、総合解析研究部のホームページ