オーロラ見ちゃいました! by S. Sumiyama

2002年10月4日、私はノルウェー北部、トロムソのEISCATレーダーサイトにやってきました。今夜こそ、念願のオーロラに出会えるかも・・とわくわくする私。「今日は天気もよく地磁気も荒れているから、いけるかもしれんなぁ。」という野澤先生の言葉に、ますます胸がおどります。

スキーウェアを着こんで、防寒はバッチリ、外にでてみると、暮れかかった空に、うっすらと雲のようなオーロラが出ています。これは期待できそう! 淡いオーロラに見とれていると、突然緑色の光が空の一部で輝き、それはみるみるうちに、全天を覆い尽くしてゆきました。もう、前を見ても後ろを見てもどこをみても、オーロラがいる!しかもどれひとつとしてじっとしておらず、それらは、ゆらゆら形を変え、動いていきます。「うわー!ホンマに出てくれたぁ!」感動のあまり叫ぶ私。道行く人も立ち止まり、「Wow!」と空を見上げています。「そうだ、写真をとらなきゃ!」と慌ててカメラを空に向け、夢中でシャッターを切りました。その後もオーロラは蛇の様に空にのびたり、何層ものカーテンになったり・・・。体はかなり冷え切っていたのですが、「暖をとっている間に、ものすごいオーロラが出たら・・!?」と思うとなかなか部屋に入る事ができませんでした。

そうこうするうちに、カメラのレンズが凍り始め(カイロを持っていなかったのです・・。)、撮影はあえなく中断となりましたが、「こうなったら、フィルムではなく目に焼き付けよう!」と思い、オーロラショーのフィナーレまで、ずっと空を眺めていました。 それでも、撮影した写真は一晩だけでおよそ120枚!いつの間にこんなに撮っていたのでしょう・・。「この中の一枚でも、オーロラが写っていてくれたら・・・!」と、思います。生まれて初めてオーロラに出会えた、本当にすてきな夜でした。



以下、同日オーロラ観測用のデジタルカメラにより撮影された画像。
天頂を向いたカメラの視野(縦(南北)90°× 横(東西)120°)を覆い尽くすほどのオーロラである。
彼女の撮った写真は現像次第Up予定。(K. Adachi)