アクセスカウンター

ざっくばらんに、グループ活動紹介

(1) 構成員(平成26年度)

現在のグループの構成員は、藤井教授(副総長)、野澤准教授、大山助教、若原さん(秘書)、高橋君(D3)、安里さん(M1)、滝田君(M1)、日比野君(M1)8名です。今年は、元気なM1が3名入り、研究室に活気が出ました

これまで
27名が修士、5名が博士をとり、巣立って行きました。ナトリウムライダーが本格稼働開始してから4年経ちました。2年前から5方向で、大気温度・風速観測をしています。良いデータがたくさん取れています。やる気のある学生さん、一緒に研究しましょう!

(2)このグループ(EISCATグループ)の1年の流れ

詳しい(難しい?)研究の話は、別のページを見てください。ここではざっくばらんに1年の活動を紹介しましょう。

4月 新学期スタート。スタッフは新年度であたふたしています。新歓コンパから始まりますね。ここで新入生の性格を探る。スタッフには、科研費の交付申請書作成というメインイベントがあります。観測シーズンを終え、ノルウェーから帰国した光学観測機器の校正実験を極地研究所(東京)にて実施します。学生23名、スタッフ12名参加です。週2回ほど定例セミナーを開始します。研究所の新人歓迎会では、新人が元気に自己紹介をしてくれます。

5月 連合大会。 学会です。幕張(千葉)日間です。当研究室では、基本的にM2が発表デビューです。M1は、勉強するために、希望すれば参加できます。

6月 自己推薦入試説明会。 来年の新入生を確保するため、説明会があります。このときに、スタッフはもちろん、学生さんにも協力してもらいます。アメリカでCEDAR WSがあります。このWSは、チュートリアルレクチャーがしっかりしていて、大変勉強になります(参考)。博士課程の学生にとっては、参加を奨励しています。

7月 自己推薦入試。毎年新入生を期待しています。EISCATレーダーを用いた実験があると、ノルウェーへ遠征します。

8月 研究専念月間。大学は夏休みですが、大学院生には休みはありません。講義・セミナーがないこの時期に、いっそう研究に励みます。このころ秋学会の予稿の締め切りですね(7月ということもあります)。下旬に、大学院の一般入試があります。

9月 シーズン前の光学観測機器の校正実験。45名で極地研にて実施。校正実験後、ノルウェートロムソへ送ります。9月の終わりに秋の学会があることがあります。

10月 いよいよ観測シーズンスタートです。冬はこのグループの活動期です!

光学観測機器の設置のため、ノルウェートロムソに遠征します。スタッフ1名、学生2名のパターンがこれまで続いてきました。1月間ぐらい滞在し、観測や研究を行います。異文化コミュニケーションの絶好の機会です!Speak English!。学生さんの初オーロラの機会ですね。プロトンイメージャーやFPIは自動観測ですが、ナトリウムライダーは、オペレーターが必須です。さらに、平成22年3月には、ナトリウムライダーを設置しました。観測機器はたくさんあります。観測スタート!

11月 秋学会。M2は修士論文に向けて、まとまりつつある、「完成度」の高い研究成果を発表します。この時期、いろいろな研究会が開催されています。

12月 ノルウェー遠征。11月から12月にかけて、よく遠征します。スタッフと学生1−2名が同行するパターンが多いです。トロムソまたはロングイアビンです。トロムソへの遠征の様子は、この記事をご覧ください。この時期、太陽は地平線の下に隠れます。時には、外気温マイナス20度を切る事も。でも、オーロラの美しさに魅了されますナトリウムライダーはこの時期20時間以上観測できます。休みなしの観測こそ醍醐味。もちろん、システム改善を重ねて、オペレーションの難度は下がっています。未経験の学生でも1週間トレーニングすればオーケーよ。M2は休みなしで、修士論文作成に励みます。定例行事忘年会を行います。1年間お疲れ〜〜、来年もがんばろう〜〜〜。

1月 修士論文締め切り。 M2はいよいよ修士論文作成まったなしです。直前に徹夜になることもしばしば。学生だけでなく、スタッフの悲鳴が飛びます。「もっと早く仕上げろ〜〜〜〜」。これが毎年繰り返される。。。大学院の二次募集試験が、(ここのところ毎年)行われます。結構良い学生んが受験してくれます。

2月 修士論文発表会。 第一週に、泣く子もだまる、恐怖の修士論文発表会です。ここを切り抜けてこそ、卒業切符が手に入ります。2年間がんばってきたのは、この日のため!と念じて、M2はがんばります。これを乗り切るとM2は 学士から修士へと進化します。おめでとう〜。一方で、連合大会の予稿締め切りです。M1はデビューへ向けて、予稿作成に励みます。月から3月上旬にかけて、観測のためノルウェー遠征です。場合によっては、学生のみでトロムソ滞在もあります。

3月 送別会。 よくがんばりましたね。卒業生からの挨拶、スタッフからの送る言葉。涙、涙ですね。「よく卒業できたな〜〜」。さようなら〜〜〜。ノルウェー遠征組は3月上旬に光学観測を切り上げ、観測機材を日本へ送付します。卒業式。いつもと違う格好でお別れです「ボーナス入ったら、差し入れします!」、「おおーーありがとう!」との会話がよくありますが、これまで差し入れしてくれたのは1名のみ。。。(^_^;)

このように1年はあっと言う間に過ぎて行きます。少年老い易く、学成りがたし、ですね。

(3)我々の研究活動の場。

我々は、EISCATレーダー(European Incoherent Scatter radar)と呼ばれる大型のISレーダー(Incoherent Scatter radar; 非干渉散乱レーダー)を主に用いて、北極域超高層大気に関する研究活動を行っています。北欧が、我々のホームグランドです。

北欧の地図(左)とEISCATレーダー(右)

EISCATレーダーは、トロムソ(69.6ºN, 19.2ºE)とロングイアビン(78.2ºN, 16.0ºE)に設置されています。我々は、トロムソEISCAT観測所に複数の観測装置を設置し、運用しています。上の写真はEISCATトロムソの観測小屋です。

(a)   4波長フォトメーター 

オーロラ光を4つの光学フィルターを通すことで、特定の4波長の光強度を観測しています。強度比や発光強度を用いて、オーロラ降下粒子エネルギーや電導度の導出手法の確立を目指しています。2002年から定常観測を行っています。下に観測小屋の中の写真を示します。

(b) プロトンイメージャー 波長486.1 nmで、プロトンによる発光を測定します。200610月から観測を開始しました。4波長フォトメーターと同じ小屋hutに設置してあります。この2つの観測装置に加えて、オーロラ/天気モニター用のデジタルカメラも設置しています。観測シーズン(10月から3月)は、このカメラ画像によりオーロラの様子がモニターできます

(c) MFレーダー トロムソEISCAT観測所(Ramjordmoen)に設置され、199811月から定常観測。高度70-91 km、高度分解能3 km、時間分解能5 minで、風速を連続的に測定しています。このレーダーにより、大気重力波、大気潮汐波、プラネタリー波などの研究が進められています。下に写真を示します。


(d) 流星レーダー ベアアイランド(74.8ºN, 16.2ºE)に平成18年度に設置しました。高度80-110 km、高度分解能 3km、時間分解能1時間で、風速を測定しています。下に写真を示します。

(e)ファブリペロー干渉計(FPI) 平成211月にトロムソEISCAT観測所に設置しました。オーロラ発光を観測して、熱圏の風速を測定します。

(f)ソディウムライダー(ナトリウムライダー) 平成22年3月に設置完了。光(589 nm)のレーダーです。高度80-110 kmの大気温度を測定します。平成22年10月から、これまで4シーズンを無事終了。2000時間を超える温度データを取得しました。

このように、我々はトロムソに観測拠点を形成し、北欧に観測機器を展開して、北極超高層大気の謎に、観測的アプローチで迫っていきます。我々のグループでは、この観測に学生も参加して、現地でいろいろな観測作業を行うとともに、欧米人などと交流して、研究活動を行います。 興味をもたれた学生さん、野澤悟徳 (nozawa @ stelab.nagoya-u.ac.jp)までお気軽にご連絡ください。