●ADVERSARIA 2010

1/6:今年最初のレガシー観測を実行。4,700万光年も離れた銀河の分子が出す電波を受けます。電波天文のデータは面白くないイメージがあるけど、スペクトルからしみじみとその凄さを感じます。


1/8:新型マルチビーム2SB受信機の開発を行っています。今回のデュワーは、1990年代に開発・運用が行われた受信機の流用です。私の手でこれが息を吹き返すというのは、誇らしい仕事です。


1/26:岩村田小学校の4年生(189名!)に、「宇宙のおはなし」という講演をしてきました。途中で飽きてしまうかなと心配したのですが、すごく反応が良くて、こちらも喋っていてとても楽しい講演会でした。



2/21:今年も、昨年に引き続きレガシープロジェクト観測の銀河のラインサーベイ観測を実施しています。私は途中参加ですが、2008年から4年間のプロジェクトの3年目です。



3/5:三鷹の東大天文センターで行われた「第10回ミリ波サブミリ波受信機ワークショップ」に参加・発表しました。研究会の出席も久しぶりなので、すごく楽しめました。


3/27:広島大学行われた天文学会に参加し、装置開発(地上観測機器)とサイエンス(銀河)の2つのセッションで発表しました。質問・コメントを沢山頂いて、有意義な学会でした。



4/2:初めて応募した科学研究費補助金の交付内定が出ました。テーマは、45m鏡で使われている2SB受信機用のサイドバンド分離比較正装置の開発で、これから2年間の研究です。


4/9:野辺山で見学者に配布する子供用のリーフレットが新しくなりました。表紙と裏表紙に書かれたメッセージには、共に私の言葉(&天文学者としての信条)が採用されました。


4/28:ALMAの観測データを解析するソフトウェアとして開発されている"CASA"の講習会が三鷹で行われ、一泊二日で参加してきました。



6/5:山梨県立科学館に行ってみました。3月にリニューアルされ、プラネタリウムにMEGASTARが導入されました(科学未来館、川崎市科学館…と、最近はMEGASTARを渡り歩いています)。


6/13:現在、主鏡面のパネルの補修を行っている45m望遠鏡は、写真のように歯抜けになっています。非常に貴重な姿なので、今日は鏡面まで上がって近くで観察してきました。


6/14:昨晩は、探査機「はやぶさ」の帰還ということで、ネットにかじりついていました。帰還時の光跡が映った時は、本当に感激でした。こんな一大イベントをテレビはどこも中継しないなんて…。



7/2:「全国同時七夕講演会2010」がありました。観測所員向けイベントですが、星を歌うシンガーソングライターの清田愛未さんの歌と、自然写真家の牛山俊男さんのスライドショーのコラボレーション。


7/9:最近は、新受信機のチューニングソフトのプログラミングをLabVIEWでやっています。動かすハードウェアが7台も増えるので、ソフトの大幅な改造が必要となります。


7/22:今年も、野辺山ユーザーズミーティングが行われ、銀河の観測と受信機開発の二件で発表しました。北は北海道から南は鹿児島まで、参加者は70名ぐらいでした。



8/5:今年も45m望遠鏡観測実習が行われました。A班はW51という大質量星形成領域、B班は巨大分子雲S252のアンモニア輝線をそれぞれ観測し、成果を発表しました。


8/21:野辺山の特別公開日でした。今年は45mパートの責任者を務めました。今年の入場者数は、去年より574人多い 3,278名だったそうです。


8/23:三鷹で行われた「ALMA−近傍AGN検討会」に参加し、初期運用が目前に迫ったALMAに、どのようなプロポーザルを出すかということをコミュニティ全体で議論しました。



9/15:北海道大学の付置研である低温科学研究所で行われたWorkshop on Interstellar Matter, 2010という国際会議に参加し、レガシー観測の成果を発表しました。


9/24:金沢大学で行われた天文学会に参加しました。受信機開発の進捗について講演しましたが、ユーザーから受信機性能に関して要望も出され、有意義な発表でした。


9/26:石川から富山に移動し、富山国際会議場で行われた Asia-Pacific Radio Science Conference;AP-RASC(アジア・太平洋電波科学会議)に参加・発表しました。


9/29:60cm望遠鏡(VST改め、"あまのがわ望遠鏡")の今後の運用について話し合いが行われ、銀河面サーベイの目標達成により望遠鏡の運用を終了(無期限の休止)することになりました。



10/7:三鷹の先端技術センターに出張し、高周波ネットワークアナライザをお借りして、導波管型偏波分離器の性能測定をさせてもらいました。新しいデザインの成果として、論文発表の予定です。


10/24:大阪東高校から依頼された講演会を行い、「現代の宇宙観と電波天文学」というタイトルで、人と宇宙の関わり、宇宙観の歴史的変遷、天文学の研究と電波天文学の位置づけなどを話しました。



11/15:名古屋大学で行われたWorkshop on Submillimeter-Wave Receiver Technologies in Eastern Asiaという会議に参加し、野辺山の受信機開発について口頭発表をしてきました。


11/15:野辺山45m望遠鏡レガシープロジェクトの「ラインサーベイ観測」の全体会合があり、東大・本郷に出張しました。


11/28:最近は、系外銀河の星間化学研究の論文を書いています。受信機屋として開発の論文ばかり書いてきましたが、これが自身初のサイエンス論文になります。天文学者っぽくなってきました。



12/31:2010年最終日は、今年最後で今シーズン初めてとなる45m鏡でのラインサーベイ観測。K教授、S助教と一緒に観測を回しながら、観測棟の休憩室で年越し蕎麦です。


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