Nishitani

プロフィール

名前: 西谷 望(にしたに のぞむ)
職名: 准教授
自己紹介: 2005年から現在の職についています。体力低下を防ぐために、毎日の自転車通勤を頑張っています。


研究内容

専門分野: 電磁気圏・超高層大気物理学、特に大型短波レーダーによる、磁気圏・電離圏・熱圏・上部中間圏ダイナミクスの研究

内容:  地上から約70-1000 kmの高さには、電子やイオン(プラズマ)で満たされている電離圏と呼ばれる領域があります。北極や南極をとりまく極域の電離圏においては、このプラズマが大規模な水平方向の運動(対流運動)をしています。運動のスピードは速いときで1000-2000 m/sになり、これは時速3600-7200 kmという、ジェット機の何倍もの速さです。この対流は、電離圏のもっと上にある磁気圏と呼ばれる領域中に存在する電場が駆動源となっています。この電場は太陽から地球に吹き付ける高速の電子やイオン(プラズマ)の流れである太陽風により引き起こされるため、その変動の影響を強く受けており、また夜側で発生するオーロラの活動とも密接な関連を持っています。また、極域だけではなく日本付近の中緯度においても太陽風の影響を受けてプラズマの対流速度が変動することも少しずつわかってきました。太陽風が地球の磁気圏や電離圏に影響を与えるメカニズムについては、基本的なところはわかっているとされていますが、まだまだ不明な点が数多く残されています。
 一方、電離圏は、太陽風の変動以外の要因、たとえば下層大気の変動や地震、低気圧等によっても変動を受けることも知られていますが、この変動を与えるメカニズムについては依然として不明な点が数多く残されています。
 短波レーダーは、地上から短波帯の電波を発射して、電離圏から反射されて戻ってくる電波の周波数変化(ドップラー周波数)を観測することにより、電離圏プラズマの対流の様子を調べることができます(データの解析方法を工夫することにより、電離圏電子密度変動を知ることもできます)。私たちのグループでは、北海道陸別町に設置した2基の短波レーダーを運用していて、このレーダーのデータや共同研究を行っている国内外のレーダーのデータ、また他のさまざまな地上観測データや人工衛星観測データ等を用いて、電離圏・磁気圏や熱圏、あるいは上部中間圏の変動に関する研究を行っています。またこの短波レーダーはSuper Dual Auroral Radar Network(SuperDARN)という国際協力プログラムに参加しており、他のグループと協力して地球的規模の変動現象に関する研究に取り組んでいます。


SuperDARN北海道-陸別短波レーダーのページへ:
http://cicr.isee.nagoya-u.ac.jp/hokkaido/indexj.html

より専門的な研究内容を知りたい方はこちらへ:
https://progearthplanetsci.springeropen.com/articles/10.1186/s40645-019-0270-5