太陽中性子検出装置

太陽表面で生成された中性子は、そのエネルギーによって 異なる速度で地球にやってきます。 我々の最大の関心事の一つは、観測された太陽中性子が、 いつ太陽表面で作られたのか、ということですから、太陽中性子検出器は 中性子のエネルギーを測定できる必要があります。また、地上で観測される 中性子は必ずしも太陽で生成されたものばかりではなく、太陽以外からやって きている宇宙線が大気と相互作用して生成される中性子も、定常的に観測 されています。太陽で生成された中性子は、太陽方向からやってきますから、 検出器に方向測定機能があれば、太陽方向からきた中性子の増減を調べる ことにより、バックグラウンドである定常中性子の変動と区別することができます。 また、同じ理由で、電気を持った粒子は計測しないようにしておけば、宇宙線 バックグラウンドのノイズをさらに減らすことができます。

これらのことから、太陽中性子国際観測網の検出器は、
1) 中性子のエネルギーを測定できる。
2) 中性子の到来方向を測定できる。
3) 中性子と荷電粒子の弁別ができる。

という3つの能力を有しています(一部到来方向測定ができない検出器はある)。