太陽中性子24時間国際観測網



Photos by Y. Muraki, T. Sako, and from homepages written in the picture

太陽中性子の観測は、低いエネルギーの宇宙線の場合には衛星搭載の検出器 によって、高いエネルギーの宇宙線の場合には地上の検出器によって行われます。 もともと太陽フレアで生成される中性子の流量は少ない上、エネルギーが高くなると より流量は減ります。従って、対象とする太陽中性子のエネルギーが高いほど 検出器も大きくする必要があります。検出器を衛星に搭載する場合には、重量の 制約等から検出器の大きさが限られるので、太陽中性子の中でもエネルギーの 高い側を観測する場合には、検出器は地上に設置されます。

地上で太陽中性子を観測する場合の問題点は、中性子が大気と相互作用 してさらに減衰してしまうことで、その影響をできるだけ抑えるためには、検出器を できるだけ高山に設置する必要があります。できれば赤道に近いほうが、太陽は 検出器から見て真上に近い軌道を移動することになるので、中性子の減衰を 抑える事ができます。それでも一日のうちで、太陽が検出器の上にある時間帯は 季節にもよりますが、4−6時間です。一方、太陽フレアに伴って地上で観測 可能な数の中性子が生成されることは非常にまれなので、一つの検出器が 太陽を見ている時間帯に太陽中性子がやってくるとは限りません。そのため、 名古屋大学太陽地球環境研究所を中心とするグループは、 世界七箇所に太陽中性子検出器を設置し、 そのうち少なくても一つの検出器 が太陽中性子を観測可能となるような、太陽中性子観測網を実現しています。

以下では、この観測網の中で、最も太陽中性子観測に適した位置に ある、ボリビアとメキシコの検出器について紹介します。

ボリビア

メキシコ