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東南極の氷床内陸域における気候復元と宇宙環境変動に対する影響評価

融合研究プロジェクト
「東南極の氷床内陸域における気候復元と宇宙環境変動に対する影響評価」

 太陽活動の変動は、地球に降り注ぐ宇宙線量に影響を与え、成層圏や対流圏上部で起こる宇宙線生成核種(10Be、HTO)の生成量を変化させます。それゆえ、南極氷床に保存されている10Be、HTOの履歴は、過去の太陽活動を反映する指標として利用されています。しかしながら、10BeやHTO濃度は、気候変動にともなう大気循環場の変化も反映しており、観測データだけから太陽活動の変遷やその規模を正確に解き明かすことはできません。本融合研究では、南極観測に参加して雪氷コア試料の採取を行うとともに、気候学分野で使われている数値シミュレーションを導入して気候変動の影響を明らかにし、南極氷床に眠る10BeやHTOの履歴からより正確に太陽活動の変動を解き明かす手法の開発に取り組みます。

地球表層における10Beの挙動。
南極ドームふじ基地における雪氷試料採取の様子
数値モデルによる南極降雪中のトリチウム濃度分布(年平均値)