48. 偏西風ジェット気流とは?

中緯度地方の上空に存在する強い西寄りの流れを、偏西風ジェット気流と呼びます。日本の上空にはちょうど偏西風ジェット気流が位置しているので、その影響を受けて様々な気象現象が生み出されます。秋から春にかけて日本付近を周期的に移動性の低気圧と高気圧が通過しますが、偏西風ジェット気流がこの高・低気圧の発生において重要な役割を担っています。また、しばしば、長い期間、偏西風ジェット気流が南北に大きく蛇行することがあります。このジェット気流の蛇行が作り出す大気の流れが、猛暑/冷夏や暖冬/寒冬などの異常気象を引き起します。最近の研究は、偏西風ジェット気流が梅雨前線の形成に関与していることを指摘しています。

海外旅行に行く際に、偏西風ジェット気流の威力を実感することができます。例えば、日本―ハワイ間の飛行機のフライト時間は、行きが約6時間半、帰りが約9時間です。この行き帰りのフライト時間の差(2時間半)は、まさに偏西風ジェット気流がもたらしています。