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覚えた英語はI’m sorry. 〜日本人は謝罪好き?〜


M1 高橋透


2011年度も暮れようとしていた3月中旬、僕は修士1年ながらトロムソの観測に同行させてもらえる事になりました。

出発当日、飛行機に乗って海外へ行くのが初めてな僕は少し緊張していました。飛行機乗るなんて、沖縄、香港以来です。国外は初めてです。イヤー、緊張するね。先生は慣れきっていて成田空港でもスイスイ進んでいきました。僕は先生にひたすらついていきました。


搭乗する飛行機。Airbus A340r

わくわく、どきどき。


飛行機の中はなんだか和やかでした。隣に座ったガイジンに話しかけられ調子に乗って拙い英語で話していたら、前からおっさんが僕を指差して、“What is your seat number?”ってすっごいでっかい声で話掛けられたので
“My seat number is ‘38’!!!”って負けじと大きい声で言いました。
そしたらおっさんが僕の席の上の番号を指差しました。そこには「39」って書いてありました。
“Sorry……”

気を取り直して前の席に座るとすぐにスチュワーデスにつつかれました。“Is this your bag??”
といいながら僕のハンドバッグを持っていました。「なんでお前がもってんの?」って思いましたが相手はガイジンですので
“Yes!!”と答えました。すると
“Please put the baggage under the in front of your seat.”
“Sorry……….”

飛行機は離陸し無事に安定飛行に入り、暇なのでi podで音楽を聞く事にしました。
するとふたたびスチュワーデスにつつかれて、

“ ケイタイデンワ ノ デンゲン ハ オキリクダサイ”
「何だ日本語か!!スチュワーデスにもガイジンだけではなく日本人スタッフが居たのか!!てか、これ携帯じゃねーし。」
って思いましたが、反射的に“Sorry…….”と言ってしまいました。飛行機内で音楽が奪われました。
仕方がないので印刷してきた論文を読む事にしました。すると、すぐに夢の中に入りました。起きたときはコペンハーゲンの空港でした。空港のロビーで先生と再会しました。

先生 「どうでしたか?初めての飛行機は?」
高橋 「いやー、緊張しましたよ。パソコンも使えないんで暇でした。」
先生 「僕の席には電源があったからパソコンは使えたんだよね。」
高橋 「へぇー、ゲームでもしてたんですか?」
先生 「仕事に決まってるだろ!!!!!」
高橋 「Sorry………….」

出発までにいろいろありましたがなんとかトロムソに着きました。何かと外国という雰囲気に気圧されて謝罪しがちですが、謝り過ぎもよくないと学びました。買い出しを終えEISCATレーダーサイトに到着した頃には昨日の苦労は忘れ観測へのワクワクでいっぱいでした。

おーこれがEISCATレーダーか。
おーこれがMFレーダーか
おーこの方がクヌートさんか

見るものすべてが新鮮でした。ナトリウムライダーは予想していたより物々しく少しビビりました。EISCATの職員が9時にきて15時に帰るのと同じ位ビビりました。

さて、LIDARの観測です。1日目はアドレナリンが出ていたせいなのかあっという間にすぎました、2日目以降は寒さとの戦いでした。コンテナ内は温度調整のため17度です。これが意外と寒い!!どんどん体温が奪われていく。



ライダーレーザーの立ち上げ。r

ライダーを操作。観測開始。


4日目をすぎる頃には当初の勢いが失われてしまいました。そんな僕を察してか、先生が街に買い出しを兼ねて連れて行ってくれました。

この写真がトロムソ随一の観光名所の桟橋です。僕はここでサザンオールスターズになりました。




ガオー。海外では少しへんになる。。。r

雪かきは大事な日課です。

残りの日程の観測は気力だけでがんばりました。1ヶ月も観測を続けたみなさんは尊敬に値するなと思いました。天気が良いときの観測は楽しいのですが悪天候の観測は寒さとの戦い以外の何者でもありません。今度観測に行くときはよい天気の日ばかりになる事を祈ります。

帰りの飛行機は行きよりも快適に帰ることができました。震災の影響で北京経由になりましたが、飛行機の中ではぐっすりと眠ることができました。


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