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EISCAT WS at 青島
野澤悟徳


EISCAT WSとは。
日本が加盟するEISCAT科学協会では、2年に一度、加盟国持ち回りで、国際シンポジウムを開催している。今回中国が主催し、青島で2011年9月5日から9日の日程で開催した。中国に行くのは、4年ぶりだ。全参加者数は、正確に数えたわけではないが、中国以外が30名弱、中国研究者が50名ぐらいだったと思う。日本からは、私を含めて3名参加した。時差が1時間というのは、ありがたいね。

講演
開催週の前週の火曜日に、プログラムが配布された。私は今回、熱圏・中間圏セッションで招待講演を1つ、EISCAT 30周年記念セッションで1つの、計2つの講演を行う予定であった。2つの講演の用意を平行して進めていると、どうも「二兎を追う物は一兎も得ず」になってしまう危険がある。1つめが火曜日ぐらい、もう1つが金曜日ぐらいになると非常に助かると思っていた。プログラムを見てみると、1つめが月曜日の午前、もう1つが火曜日のトップバッターとなっている。さらに、月曜日の晩は、バンケットだ。ありゃー、ピンチ。ひとまず、月曜日の1つめの講演に向けて準備を進める。もう1つのは、月曜日の夜から火曜日の朝にかけて(ほぼ徹夜か。。)が勝負だと心に決めた。ところが。。

プログラムはフレキシブル
月曜日の朝、本日のプログラムということで、LOCがプログラムを配布していた。ふんふん、私の講演は、11時ごろか。良い感じだ。B先生やJR先生の講演では、日本の加盟について説明がされており、日本の貢献を褒めてくれていたので、良い気分になっていた。なにげなくプログラムの先をみると、午後の最後の講演に、私の名前が。。。ありえん。。火曜日のトップバッターではなかったのか?。。。青ざめた。。一つ目の講演が終わって、次の講演まで5時間ぐらい。用意間に合うか。なんとかすれば今日は熟睡できるな。これは魅力だ。いや待て、やはり時間が足らん。どうすべきか。 結局、休憩のときに、コンビーナのJR先生のもとに相談に行く。「さすがに、今日は無理だよ。」と私。「私もびっくりしている。我々のセッションは、火曜日全部を使う計画だから、元に戻してもらおう。」とJR先生。心強いお言葉。LOCと相談し、ランチ後には、別のプログラムが配布されていた。私の2つめ講演が月曜日のプログラムから消えていたことは言う迄もない。言ってみるもんだ。その後、火曜日、水曜日、、、、と毎日朝に修正されたプログラムが配布された。。。ずいぶんフレキシブルなシンポジウムであった。。ただ、開始は午前8時というのは変更なかった。

禁煙
今回の滞在で1つびっくりしたのは、ホテルのロビー、ラウンジ、レストランなどのスペースが禁煙になっていたことだ。日本より進んでいる?私は、タバコ嫌いである。タバコの煙ですぐ体調を崩す。最近は、臭いだけでも嫌だ。ホテルの予約のときに、禁煙部屋にしてくれと念をおし、了解したと連絡を受けた。ホテルにcheck-in後、与えられた4階の部屋に行ってみると、灰皿がおいてある。。。すぐ、一階のレセプションデスクに行き、クレームをつけた。そしたら、あっさり禁煙部屋に変えてくれた。なんかこの国では、シャイな人間は行きて行けないようだ。10階と眺めも抜群。そして禁煙フロアー。完璧だ。
だが、しばらくして、どうもタバコの臭いが気になる。。どうしてなのか?不思議だ。。数日後、廊下を歩きながらタバコを吸っている人を見つけてしまった。。。。マナー悪い。。。おまけに、エレベータの前に「灰皿」があるではないか。。。なんなんだろう?


オーシャンビュー

講演中

禁煙フロアーのはずだが。。

エレベーターの前には灰皿がある。。

28階の回転レストラン。眺めはばつぐん。

各席にお茶が提供される。従業員が頻繁にお湯を足してくれる。。

バンケット
初日の夜は、バンケット。青島レストランで回転テーブルに着席。なかなか豪勢な食事だった。宴がたけなわになると、エンターテナーが登場。まずは、かぶり者のなぞの怪人。扇子をぱっと、開いたり閉じたり、顔のマスクが瞬時に代わる。まあなかなかおもしろかった。次はこわもてのおじさん歌手。こぶしを握り中国演歌(?)を熱唱。次は、マジックおにいさん。なんか苦しそうにやっていて、いまいち理解不能。どうやら、口から小さい玉を飲み込んで、体を通過させて目が出していたような。いまいち。最後は、胡弓の演奏。これは、良かった。次の朝一が講演でしたが、楽しめた宴会でした。

物価
今回会場となったホテルは、高級ホテル。食事は、毎回28階の展望レストラン(回転レストラン)で中国料理のビュッヘ(日本でいうバイキングスタイル)。ただし、食事メニューは、毎回大きく変わるわけではない。。。数日たつと飽き来た。。ちなみに、お値段は、ランチ150元(1元=13円)ぐらいであったようだ。ディナーはもう少し高い。中国人の給与水準から言うとかなり高額か?ホテル一階のラウンジでは、コーヒーが、25元!夜、ウイスキー水割りを飲んだところ、1杯70元と、日本並の値段であった。

青島は、経済特区になってから繁栄している。その大きな特徴は、車の渋滞。通常所得が上がってくると、多くの人は、バイクを購入するが、青島地区では裕福な人が多く、みな自家用車を購入したとか。たしかに、子供の下校のお迎えに、高級車で母親が御出迎えの光景が多く見られた。それにしても渋滞がひどい。ラッシャアワーでは、ほとんど進まない。それ以外の時間帯でも都市部はいつも渋滞。。。金曜日にホテルから空港までタクシーを使ったが、町を抜けるのが大変であった。途中高速道路を使って1時間30分ぐらいかかった。距離は40kmぐらいかな。値段は、170元であった。これは安い?

経済格差
青島滞在で大きく感じたことは、中国って共産主義経済なの?? 8月に行った台北とあまり変わらない。ホテルの滞在者は、お金持ちの一家が多かったようだ。土産物屋のお兄さんやおねーさんの愛想も良い。道を走っている乗用車も結構高級車が多い。そして、新婚カップルの写真撮影。ビーチで、ウエデングドレスを来て、はいポーズ。観光地で、はいポーズ。カメラマン他5人ぐらいのスタッフで撮影をしている。こういうのは、「奢婚」というのだろうか?写真撮影をされているカップルは、堂々としているのには感動した。

Rising sun?
今回は、中国人研究者の講演が多かった。中国の各研究グループは、ISレーダー、流星レーダー、ライダーなど多くの一流の観測装置による観測を行っていることが分かった。中国国内で、4つのISレーダーを建設し、チェーンとして運用する計画が進んでいる。さらに、アメリカのISレーダチェーンと協力する計画も進んでいる。これらと他の観測装置と組み合わせ、今後多くの成果が上がってくるのではないかと思った。中国恐るべし。



なぞの怪人

迫力

一所懸命なのはわかったけど。。。

美しい音色でした。

青島ビールは、107年の歴史。

三国志の英雄も青島ビールで桃園の誓い?

青島ビール工場では、一時期「三ツ矢サイダー」も?

観光地の出店。

ランナーたち。後ろはホテル。


最後
今回のEISCAT WSは参加して大正解であった。みな同じホテルに滞在し、食事も同じ場所だったこともあり、他国の研究者といろいろ議論や情報交換、また、EISCATの現状や将来計画について議論できた。ただ、毎晩議論が長引き、寝不足ではあったが。次回は、2年後に、イギリスにて開催が予定されています。



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