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概要説明

太陽大気(コロナ)が惑星間空間に流れ出すことで生成される超音速の太陽風プラズマと、固有磁場を持つ惑星(地球・水星・木星など)が相互作用することにより、惑星周辺の宇宙空間に磁気圏が形成されています。また、大気圏で覆われる惑星(地球・金星・火星・木星など)の場合、高度にして数100kmの領域に、太陽光放射により生成される電離圏を保持しています。
これらの地球・惑星の電磁気圏や超高層大気領域では、太陽風の活動に伴い大規模でダイナミックなプラズマ現象が見られます。例えば地球や木星・土星で観測されているオーロラに代表される発光現象や、惑星全体を取り巻く放射線帯などにおける高エネルギー粒子加速は、太陽風のエネルギーが磁気圏内部に輸送・蓄積され,磁気圏特有のプラズマ物理過程を経ることにより引き起こされます。しかしながら、これらのエネルギー流入やプラズマ輸送・加速機構には観測的・理論的にまだ解明されていないことが数多くあり、このような磁気圏プラズマ現象の研究においては、自然科学の探求という意義だけではなく、人類の社会基盤(人工衛星・宇宙基地、等)が既に展開されている領域としてのジオスペース(Geospace:地球周辺の宇宙空間)の環境科学の促進という多面的な意義があります。
惑星周辺の磁気圏は、太陽風の惑星大気への直接的な影響を妨げる役割を果たしていると一般的には考えられていますが、その場合でも惑星極域からは超高層大気が惑星間空間へと流出していることが観測的に示されています。一方で、強い固有磁場を持たない金星・火星など、周辺の宇宙空間に磁気圏を持たない惑星の場合、太陽風と電離圏が直接的に相互作用し、超高層大気が宇宙空間へと常に流出しています。ここでも,その詳細な物理機構は未だに謎に包まれたままであり、直接的な探査による定量的な観測が必要とされています。
そのため我々は、 惑星周辺の電磁気圏・超高層大気領域における宇宙惑星プラズマや室内実験プラズマを「直接」観測するための観測機器の開発を行うと共に、その観測データを用いて宇宙・室内プラズマの観測的・実験的研究を行っています。
また最近では、室内実験室において人工的に生成・制御される高密度プラズマを対象に、 波動・粒子間や波動・電流間の相互作用を直接的に計測し、宇宙空間での直接観測と比較することで、普遍的なプラズマダイナミクスの描像・理解を実証的に獲得する研究も推進しています。

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