第2回VarSITI総合シンポジウムを開催
2017-07-18
当研究所は、国際組織SCOSTEP(太陽地球系物理学科学委員会)、ロシア科学アカデミーシベリア支部太陽地球系物理学研究所(ISTP)などと共同で、第2回VarSITI総合シンポジウム(http://varsiti2017.iszf.irk.ru/index.php/conferences/varsiti/)を2017年7月10-15日にロシアのイルクーツクで開催しました。11年の周期で変動する太陽活動は、2009年から始まった第24太陽周期では最近の100年間の中で最も低くなっており、世界の研究者がその変動に注目しています。ICSU(国際科学会議)傘下のSCOSTEPは、2014年からの5年間に国際プログラムVarSITI(太陽活動変動とその地球への影響、http://www.varsiti.org/)を実施して、この太陽活動変動の原因を探るとともに、それが地球周辺の電磁環境や地球気候に与える影響を理解するための国際協同研究を進めています。今回のシンポジウムでは、ロシア、米国、カナダ、日本、インド、中国、チェコ、ドイツ、フランス、英国、イタリア、スイス、フィンランド、トルコ、ナイジェリアなど26か国から162名が参加し、フィンランドのIlya Usoskin博士による太陽黒点変動に関するkeynote lectureをはじめとして、太陽活動変動とその地球への影響について活発な議論が交わされました。これまで別々のコミュニティとして発展してきた太陽圏物理学、電磁気圏物理学、大気科学や気候変動の研究者の間でこの課題が共通の問題として認識され、これらの分野の研究者の間で活発な議論が進みつつあると感じました。VarSITIプログラムの最終年にあたる来年(2018年)は、SCOSTEPが4年に1回開催しているSTP会議をカナダのトロントで7月に開催し、VarSITIプログラムのまとめの議論を行うことが決まっています。なおこのシンポジウムの成果は、国際誌Journal of Atmospheric and Solar-Terrestrial Physicsの特集号として今後、編集・出版される予定です。本シンポジウムは、当研究所の他にSCOSTEP、COSPAR, JSPSアジアアフリカ拠点形成経費、科学研究費補助金・特別推進研究のPWINGプロジェクト及び新領域研究のPSTEPプロジェクト、米国National Science Foundation、インドのCESSI、ロシアのROSTEC・FASO・RFBR・ISTP研究所の支援を受けています。当研究所はこのVarSITI国際プログラムの国際拠点として、教員が同プログラムの国際共同議長を務めるとともに、67か国900名以上のメールリストを整備したり国際ニュースレターを3か月に1回発行したりしています。