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先輩たちからのひとこと

先輩たちからのひとこと

この研究所を卒業した先輩や、今、勉強している先輩たちから、皆さんへ熱いメッセージです。
この研究所で学んだことや、大学でどんな生活を過ごしているか、伝わってくるかな?

米津 佑亮 / Yusuke Yonezu 工学研究科 電子情報システム専攻 宇宙電磁観測グループ
2017年3月修了 修士(工学)

オーロラを観たいという強い思いで、私は1年前に宇宙地球環境研究所の電磁気圏研究部に入学しました。この研究所の魅力は理学や工学、日本人学生や外国人留学生といった多彩な人々が共に研究していることです。実際に私は工学研究科の所属ですが、研究の近い先輩は理学研究科の留学生であり、彼女から研究の助言をもらっています。また、1つの研究部に先生方が多数在籍しているのも特徴です。セミナーでは、それぞれの先生方の異なった視点に基づく意見が自身の研究に新しい気づきを与えてくれます。

入学から半年後、私はついにオーロラを観ることができました。オーロラが見えるカナダの観測所までアンテナや全天カメラのメンテナンスに行く機会があったからです。5日間の短い滞在でしたが、2晩オーロラを観測することができました。そこで初めて観たオーロラは忘れられません。また、入学時から学んできたオーロラ活動の知識も加わり、発生機構を考えながらオーロラを観ることができました。

私の所属する研究室ではオーロラを扱っていますが、研究所全体では地球環境も含めた幅広い分野を扱っています。入学を希望される方、この研究所では宇宙や地球環境という大きなテーマの中で、多彩な人々と関わり、専門性を磨いていく楽しさが待っています。

柴山 拓也 / Takuya Shibayama 理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 太陽宇宙環境物理学(SST)研究室
博士課程(後期課程)3年

「天文学を研究している」と言うとたいていの人に「望遠鏡で星を見てるの?」というようなことを聞かれますが、私の場合研究に使うのは望遠鏡ではなくスーパーコンピュータ(スパコン)です。天文学や地球物理学においてスパコンはいわば「実験室」と言えます。地上では再現できない宇宙環境をコンピュータ上に再現してそこで起こっている現象の物理過程を明らかにするのです。私は太陽フレアの爆発メカニズムについて、非常に小さな構造がフレア全体のエネルギー変換効率にどう関わってくるかという研究をしています。

宇宙地球環境研究所は研究科の研究室などより独立性の高い研究機関ですからスパコン並みのシステムや独自の観測機器、豊富な人材など研究環境も整っています。私も研究所のスパコンで研究を始めて今では世界7位のスパコン「京コンピュータ」で研究を行っています。スパコンから出てきた大量のデータを処理するシステムも整っているのでストレスなく研究ができます。また、研究所には外国人研究者を含めた多くの優れた研究者が在籍していて自分の研究に関連する分野の研究者とコーヒーを飲みながら日常的に研究の議論ができます。英語で議論する機会も多いので国際学会でも遠慮せずに研究の議論ができるようになりました。研究所には研究者としての最初の一歩をふみ出す最高の環境が整っています。

辻野 智紀 / Tomoki Tsujino 環境学研究科 地球環境科学専攻
2017年3月修了 修士(理学)

私の所属する研究室では気象学の中でも台風や集中豪雨、積乱雲といった人間の生活に多大な影響を及ぼす現象を研究対象としています。 私は主に本研究室において開発されている、3 次元の大気モデルを用いたコンピュータシミュレーションにより、台風の強さがどのような要因で決まるのか、その強さを変化させる原因は何かというテーマで研究を行っています。

コンピュータ上に仮想的な大気環境を用意し、その大気状態を変化させることで再現された台風の強さがどのような大気の要因で変化するかを調べることができます。研究から新たな知見が得られると、国内外の学会・研究会で発表する機会もあります。研究室の周りには気象学の他の分野の研究室や海洋学の研究室もあり、セミナーだけではなく日常生活で他分野の研究に接する機会が多くあると思います。計算機環境があれば1人でどんどん研究を進めることができ、指導教員だけでなく他の教員・スタッフと議論できる機会も多いので、アイデアがあり積極的に研究する意気込みのある方にはぴったりの研究所だと思います。

宮道 光平 / Kohei Miyaji 理学研究科素粒子宇宙物理学専攻 大気圏環境変動(AM)研究室
2016年3月修了 修士(理学)

学部を卒業し名古屋大学太陽地球環境研究所(現:宇宙地球環境研究所)の松見研究室に席を貰った私は、学生の少なさとスタッフの多さに驚きを覚えた。大学よりもより研究に特化している研究所では、教授をはじめとした研究員の方々に加え、技術職員や事務職員の方々によって日夜研究がすすめられている。その環境の中で改めて、学生とは研究員の卵であることを実感した。学部の延長で進学し学生気分が抜けず学問を享受するつもりであった私は、研究員と技術職員の間で行われる質の高い議論に参加するために、襟を正して自らの研究をより深めようと一層努力することができた。研究を進めるにあたり、研究とは一つのテーマを多角的に検討しなければならないと実感し、広い視野を持とうと心がけた。その点、研究所内で実施される談話会は、自然科学の分野で幅広く活躍されている先生方の研究の一端を学べる非常によい機会で、理学と工学の分野を横断した考え方やものの見方を学ぶことができた。また毎年国内外から大勢の研究者が来所し、セミナーを実施してくださり、分野が異なっても自然科学に関する世界最先端の講義を受けることができた。

研究室で開発した装置を用いて、南極における世界で初めての観測を実施することができた。研究成果をもって私は研究所の一員になれた実感がした。私は『宇宙地球環境研究所』での研究生活に誇りを持ち、今後社会で羽ばたいていきたい。