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宇宙のプラズマから電波が生まれる瞬間の特定に成功

2017-09-19

ジオスペースと呼ばれる地球周辺の宇宙空間はプラズマ(電気を帯びた粒子群)で満たされています。プラズマの分布が変化することにより、オーロラの活動が変化したり、また宇宙空間の放射線(放射線帯と呼ばれる領域のエネルギーの高い粒子群)が変化したりします。ジオスペースのプラズマからは、様々な電波が発生しており、プラズマの分布やエネルギーを変えてしまうことが知られています。特に周波数1ヘルツ程度の「電磁イオンサイクロトロン波動」と呼ばれる電波は、放射線(放射線帯の電子)の分布を変えたり、オーロラの発生に寄与したりすると考えられています。しかし、これまで、プラズマの中から電波が発生する瞬間は観測では捉えられていませんでした。本研究では、電波とプラズマの位相関係からプラズマ分布の揺らぎを特定し、相互のエネルギー授受を求める新しい解析手法を開発しました。NASAの科学衛星「THEMIS」のデータを、本手法を用いて詳細に分析することによって、「電磁イオンサイクロトロン波動」の発生する瞬間を特定することに成功しました。そして、電波が発生しているときには、その場所に存在するイオン群の中に、数秒間だけ存在する左右非対称な穴(ホール)が作り出されることを発見しました。さらにスーパーコンピュータを用いたシミュレーションとの比較研究により、また、この穴の存在によって、イオン群のエネルギーが電波を生み出していることを実証しました。本研究は統合データサイエンスセンター・小路真史特任助教と三好由純准教授らからなる研究グループによってなされました。
この結果は、米国地球物理学会 Geophysical Research Letters に掲載されました。
Geophysical Research Lettersへのリンク http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/2017GL074254/full

プレスリリース:/2017/09/20170915_isee_1.pdf

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